うつ病3つの治療法
薬物療法とは
薬を使ったうつ病の方法で、主に抗うつ薬が使われます。
うつ病は脳内の神経伝達物質(セロトニンやノルアドレナリン等)の不足が主な原因であり、機能性疾患(脳の神経の一部分の機能が正常に働かなくなる)です。
抗うつ薬は不足となっているセロトニンやノルアドレナリンを正常な量や状態へ戻すように作用します。
抗うつ薬を処方されたら、自分の判断で飲むことを止めてはいけません。
正常に機能しなくなった体の機能を補強・調整して維持するためには抗うつ薬は不可欠のため、神経伝達物質が不足なく安定するまでは医師の指示通りに服用を飲み続けましょう。
抗うつ薬は安全であり、長期間に服用しても習慣性・依存性が少ない薬です。
しかしながら、他の薬と同様に副作用を伴う場合があります。
副作用で多いものは、便秘、口の渇き、眠気、かすみ目、立ちくらみ、発汗、めまいといった症状です。
場合によっては吐き気、排尿困難、体重増加、手指のふるえ、食欲不振などが発症することもあります。
まれには発疹、不整脈、パーキンソン症、けいれんなどの発作の症例もあります。
副作用の症状出た場合は、担当医に相談して薬の減量や薬の変更などを行います。
入院療法とは
うつ病を患っていも、自分がうつ病だと分からずに無理をしてしまう場合があります。
その場合「自分には生きている価値がない」「死んだ方がましだ」など自分を追い詰め、感情的になってしまっていれば、命を守るためにも病院に入院して治療に専念すべきです。
病院に入院すれば、最も重要な休息をとることに専念できますし、そのことで自分の命を守ることができます。また、家族や周りの人に対して病気の重大さに気付いてもらえます。
また入院することで、食事を含めた生活リズムを整え、正しい薬の服用、自分自身の健康状態の把握等数多くのメリットがあります。
医師・看護師などが常時サポートしてくれるので安心感が違い、心と体の休息が十分に行えます。
心と体を健康に戻していくためには、十分な休息と規則正しい生活リズム、正しい抗うつ薬の服薬を行って、ゆっくりと治療継続してゆきます。
心理療法とは
医師および臨床心理士との対話を通して、気分を落ち込ませた原因である行動・思考・人間関係を修正し、安心できる心と体の状態に戻すのが心理療法です。
心理療法で最も有効と言われているのが認知行動療法になります。
もの見方やとらえ方のことを認知と言いますが、認知は肯定的や否定的なものがあります。
うつ病の際の認知は以下のように否定的なものにとらわれやすくなります。
小さな失敗で「自分はダメだ」と一方的に考える。
どんなことでも、全て悪く考える
何事も「こうすべき」と考える
認知行動療法は、否定的な認知になる原因や環境・感情、その他肯定的な認知はないか、などを医師および臨床心理士と探ってゆきます。
そして、正常に幅広い認知ができるようにして、うつ病の症状を軽減してゆきます。
同時に、日常の行動を適正に検証し、目標を設定することで自信や正常な行動を取り戻せるようにします。