抗うつ薬の妊娠中や授乳中の注意点

抗うつ薬の妊娠中の影響抗うつ薬は、長期にわたって使用することが多くあります。その際に女性は妊娠中・授乳中の影響も配慮する必要があります。

抗うつ薬の妊娠中・授乳中の基準と影響をご案内いたします。

分類 薬剤名 FDA基準 Hale分類
SSRI ジェイゾロフト C L1
レクサプロ C L2
ルボックス
デプロメール
C L2
パキシル D L2
SNRI サインバルタ C L3
イフェクサー C
トレドミン C L3
NaSSA リフレックス
レメロン
C L3
三環系 トフラニール D L2
トリプタノール D L2
アナフラニール D L2
アモキサン C L2
ノリトレン D L2
四環系 テトラミド
ルジオミール B L3
その他 デジレル
レスリン
C L2
エビリファイ C L3
ドグマチール L2

妊娠中の影響

DA(アメリカ食品医薬品局)薬剤胎児危険度基準

A:対象の試験で、危険性が見られない
B:危険性の証拠はない
C:危険性を否定することができない
D:危険性を示す確かな証拠がある
×:妊娠中は禁忌

授乳への影響

Hale授乳危険度分類

L1:最も安全
L2:比較的安全
L3:おそらく安全・新薬・情報不足
L4:おそらく危険
L5:危険

抗うつ薬中乳中の影響

抗うつ薬が奇形を伴う影響は高くはないと判定されていますが、以下の抗うつ薬はリスクが若干でも高まることを考えておく必要があります。

パキシル⇒心房中隔欠損
ルボックス/デプロメール⇒相互作用で他の薬の濃度をあげる
アモキサン以外の三環系抗うつ薬⇒四肢奇形・顔面奇形・心血管奇形
上記は服用しない方が安心です。

抗うつ薬が乳児に影響を及ぼすのは、産後になります。乳児にとっては急に薬効が無くなるため、離脱症状が現れることもあります。

早期発見に努めて症状を緩和していけば、ほとんどは問題ありません。後遺症はほぼありませんので、医師に伝えておけば心配は不要です。

授乳中は、抗うつ薬は安全性は問題ないと言われています。SSRIのジェイゾロフトは、授乳中は高い安全性が確認されています。複数の薬剤でL3となっていますが、悪影響についての報告はありません。